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「遠いあの日」2
書きたかった内容から途中で起動がずれてしまったような
気もするのですが、初めて書いたのに完結しないで
終わるのも嫌なので(笑)
続きを書いてしまいました。
以下「遠いあの日2」



「遠いあの日2」







「私、何て事を…。」
動物園に来て、僅かに記憶が蘇った小夜は己のした事を
なかなか受け入れる事が出来ず、呆然と瞬きをする事も忘れ
立ち尽くしていた。口から零れた言葉は凡そ独り言のように
小さく覇気が無い。立ち竦む小夜の少し後ろに立ち
様子を伺っていたハジは、いつもと変わらず静かな声で
あったが、ゆっくりとそして力強く言った。
「いいえ、小夜。」
遠いあの日、小夜はジョエルを喜ばせたいと言って嬉しそうに
笑っていたのだ。
だから、あの笑顔を絶やさぬよう貴方の傍に居ると。
小夜の願った山百合は、確かに崖の斜面に咲いていて
取りに行かずとも、そこに辿り着くのは困難で足を踏み外したら
どうなる事になるのか判断できたのだから。
それでも、山百合を摘んであげたいと思えたのは全て小夜の
願いを叶える為で、何も小夜を悲しませる為でも苦しませる為
でも無い。それに崖から落ちて血が流れ命の灯火が消えそうに
なった自分を見て小夜が助けようとして血を分けてくれた事も
小夜の優しさだと思っている。
「貴方は何も悪くない。そう、何も」
酷く穏やかなハジの声は、鋭い棘のように小夜の心に突き
刺さり悲鳴をあげる。どうして己の我侭で、短絡的な物の
考えでハジの時を止めてしまったのに、これほど穏やかな声を
掛けられるのだろうか。悲しい事に中途半端な記憶しか戻って
ない今の小夜には理解できない。
「悪くないわけ無い!私の所為で貴方は…。」
どうせなら罵られた方がどれだけ救われるだろう。
それでも、彼は穏やかに言う。
声のする方に振り返れなくて、ただじっとその場に立ち尽くし
拳を握り唇を噛んだ。
「小夜、私は寧ろ貴方に感謝しているのです。」
小夜は弾かれたように伏せていた顔を上げて、ハジに向き直り
翡翠の色をした彼の瞳を見た。
「感謝?」
反駁する事が出来ず、小夜は小首を傾げて自分より頭一つ以上
高い所にあるハジの表情を伺う。
硬い表情の小夜とは対象的にハジの表情は声と同じように
酷く穏やかであるが、それでも彼が何を考えているのか
読み取る事は出来ない。
ハジは、小夜との距離を縮めるように半歩だけ前に
進むと小夜の手を取った。
「ええ、感謝しています。」
小夜だけの時が止まっていて、自分は年を取りいつしか小夜一人
だけ残して土に返ってしまう日が来るのだろうと思っていた
のだから。でも、小夜が血を分けてくれたお陰でそれは
杞憂に終わった。
「貴方のお陰で永い時を共に過ごす事が出切る。だから
自分を責めないで。」
小夜の白い手の甲に軽く唇を落とし、ハジは微かに笑った。
「だから遠いあの日からずっと貴方に感謝しているのです。」








終わり。





完全にハジがストーカーになってしまい
書き終わって凄く気持ち悪くなりました(笑)
次の作品が更新できたらこれは下げるかも…。


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